アメリカでの選挙で、投票前の世論調査で黒人候補に支持率の数字が高く出る現象。1982年のカリフォルニア州知事選挙で、事前調査では圧倒的に有利とみられていた黒人のトム・ブラッドリー候補(当時ロサンゼルス市長)が、実際の選挙で白人候補に敗北したことに由来する。一部の白人有権者が、黒人に対する偏見を持っていると思われたくないために、調査に正直に答えなかったことで起きたとされる。2008年のアメリカ合衆国大統領選挙で、黒人のバラク・オバマ上院議員が出馬したことで再び取りざたされ、08年1月8日のニューハンプシャー州での民主党予備選で、事前調査でヒラリー・クリントン候補をリードしていたオバマ候補が敗れたのは「ブラッドリー効果」ではないかと指摘された。同年11月4日の一般投票に向けて行われた各種世論調査でも、オバマ候補が共和党のジョン・マケイン候補を終始リードしていながら、最後までブラッドリー効果が懸念された。