北極圏の開発や環境保護についての協議や、利用に関するルール作りの中心的役割を担う国際機構。北極協議会とも訳される。1996年にカナダ、デンマーク(グリーンランド、フェロー諸島を含む)、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、ロシア、スウェーデン、アメリカの北極圏沿岸国を中心とした8カ国が設立。近年、北極海をめぐっては、地球温暖化の影響で北極海の氷が解け、船舶の航行がしやすくなったことや、北極海の海底に眠るエネルギーなどの天然資源の獲得に、各国の関心が集まっている。航路については、特に太平洋からベーリング海峡、カナダ沿岸を経由してヨーロッパを結ぶ「北西航路」が定期便として活用できれば、パナマ運河やスエズ運河を通る現ルートの6割程度の日数で済むと期待されているほか、ロシア沿岸経由の「北東航路」には中国が多大な関心を寄せていると言われている。北極評議会にオブザーバーの資格で加わることで、この北極海をめぐる権益獲得競争と国際的ルール作りに積極的に関与できるとして、日本は2009年4月にオブザーバーとしての加盟申請を表明した。すでにアジアからは、韓国、中国が加盟申請している。