2009年5月17日、ノーベル平和賞受賞者17人が連名で発表した、核兵器のない世界を目指す訴え。ノーベル平和賞受賞者ヒロシマ・ナガサキ宣言。08年に広島を訪れた北アイルランドの平和運動家、メイリード・マグアイア(1976年受賞)が、ウェブサイトで原爆や平和に関する情報を発信している中国新聞ヒロシマ平和メディアセンターの存在を知り、主導して草案を作成。被爆地広島にあり原爆の惨禍を知るメディアとして、発表の場に中国新聞紙上を選んだ。宣言では1年後の2010年5月にニューヨークの国連本部で開催されるNPT(核不拡散条約)再検討会議の重要性を意識し、核兵器の拡散に対する憂慮や核保有国の核兵器削減への意志の薄弱さに懸念を表明。09年4月にアメリカのオバマ大統領が呼びかけた「核兵器のない世界」実現のため、世界の市民が自国の指導者たちに強く働きかけるよう呼びかけている。賛同者はほかに元韓国大統領の金大中(00年受賞)、「もったいない」という言葉を世界に広げたケニアの環境活動家ワンガリ・マータイ(04年受賞)、バングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス(06年受賞)などの各氏。