1931年9月18日の夜、旧日本軍の関東軍が、奉天(現・瀋陽)郊外の柳条湖で南満州鉄道(満鉄)の路線を爆破した事件。満州事変の発端となった。関東軍参謀の板垣征四郎大佐や石原莞爾中佐らが計画。関東軍は、中国軍が爆破したとして軍事行動を起こし、翌19日、奉天城など満鉄沿線の主要都市を占領。当時の第二次若槻礼次郎政権は、同月24日に不拡大方針を発表したが、関東軍はそれに従わず戦線を拡大。中国東北地方の奉天、吉林、黒竜江の3省を占領し、32年3月には傀儡(かいらい)国家「満州国」の建国を宣言した。同事件は、中国国内で九・一八事変と呼ばれ、事件発生日の9月18日は、旧日本軍による中国侵略の始まりとして「国恥日」とされており、反日運動が起こりやすい日。なお従来、柳条溝事件との表記が定着していたが、その後の研究により82年以降柳条湖事件に改められた。