東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、151カ国が加盟する国際原子力機関(IAEA 天野之弥事務局長)が策定した、世界の原発の安全強化を目指す行動計画。オーストリアのウィーンで開かれたIAEA年次総会で2011年9月22日に全会一致で承認された。各国が安全基準の強化と普遍化を行うことや、国際専門家チームの相互受け入れによる原発の安全性評価「ピアレビュー」を行うこと、国境を越えて発生する被害への賠償に備えて国際補償条約への加盟を検討するよう勧告することなど、12項目が打ち出されている。しかし、当初案にあったIAEA調査団の活用や国家緊急対応チームの設立などは、加盟国の自発性にまかせるなど、全体に後退した面がある。IAEAの規制権限が強化されることで原発運転のコストが上昇したり、エネルギー政策の独自性が損なわれることを嫌うアメリカなど原発推進国と、ドイツなど脱原発政策をとる国との間で意見が分かれたためで、行動計画への評価も分かれている。天野事務局長は、実施状況に応じて改善するとして、将来的な見直しに言及している。