イタリアの市民政治団体。鋭い政治風刺で人気を集めた元テレビコメディアン、ベッペ・グリッロ(64歳)が2009年に創始。「五つ星」の名は、環境保護、インターネットへの無料接続、地方開発、交通システム、水資源の5つを政策の重点分野として掲げたことに由来する。集会やブログを通じて、政治家や大手メディアを徹底的に批判し、若者を中心に熱心な支持者を生んだ。翌10年から地方選挙に進出。12年には、5月にイタリア北部の主要都市パルマの市長選挙で擁立候補を当選させたのに続き、10月のシチリア州議会選挙で約15%の得票率で議会第1党となった。国政初挑戦として臨んだ13年2月のイタリア総選挙では、既成政党の利権政治などを痛烈に批判するとともに、ユーロ圏離脱を問う国民投票の実施や環境問題の重視を主張。インターネットを最大限に活用して無党派層の受け皿となり、上院(定数315、終身議員を除く)で54議席、下院(定数630)で109議席を獲得。中道左派連合(上院123議席、下院345議席)、中道右派連合(上院117議席、下院125議席)に次ぐ第3勢力に躍進した。ただしリーダーのグリッロ自身は、いかなる選挙にも出馬せず、また他党との連合に応じることもないとしている。