EU(欧州連合)運営の枠組みを定める基本条約。2005年に、オランダとフランスで批准が否決されたEU憲法条約の修正条約として、07年6月23日、ブリュッセルのEU首脳会議で制定が合意された。憲法条約と比べて、EU国旗、国歌の規定を削除し、条約名から「憲法」を外すなど、連邦国家の印象を薄める工夫がされている。条約のおもな内容は、任期2年半の「EU大統領」(欧州理事会常任議長)と、EU全体の外交を担当する「EU外交・安全保障上級代表」の新設や、司法・内務分野で全会一致ルールを多数決ルールに変更し、17年から「二重多数決方式」とよばれる、人口比に合わせた新しい多数決制を導入する、など。また、欧州委員会の委員数の削減をはじめ、機構の効率化も図られている。年内に加盟各国が調印し、09年の発効をめざす。