アメリカのカリフォルニア州が実施する排出ガス規制。1966年にアメリカ初の排出ガス規制を制定した経緯などから、カリフォルニア州は連邦と異なる独自規制が認められている。このため、アメリカでは、大気汚染防止のための排出ガス規制は、連邦環境保護庁(EPA)のTier2と、カリフォルニア大気資源局(CARB)のLEV2(2はローマ数字)規制が存在し、カリフォルニア州以外でも、LEV2規制を選択できる。両規制は、それまでのTier1、LEV1に代わり2004年に導入され、細部は異なるものの、汚染物質の削減強化などが図られている。なお、カリフォルニア州は、02年に、16年までに乗用車やライトトラックの温室効果ガス排出量を30%削減する、温室効果ガス規制法案を可決した。CO2に代表される温室効果ガスの削減は省燃費技術と一体で、燃費換算で1ガロン当たり44マイル相当の基準を達成しなければならない。これは、07年に連邦がエネルギー法で定めた、20年までに1ガロン35マイルとする政府の燃費規制よりも厳しい内容であることから、環境対策に消極的だったブッシュ政権下では、EPAが許可を与えなかった。09年1月に就任したオバマ大統領は、同月26日に新たな環境政策の指針を盛り込んだ大統領令に署名、その中で排気ガス規制の強化方針を表明し、カリフォルニア州の温室効果ガス削減規制を容認する姿勢を示した。