発展途上国の貧困やエイズ、地球温暖化対策など、地球規模の問題解決に使うため徴収される税。もともとはアメリカのノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・トービン博士が提唱した考え方で、為替取引など国際的な資金移動に課税し、その税金を貧困削減のための開発資金として用いようというもので、「トービン税(Tobin tax)」と呼ばれた。ヨーロッパではフランスやベルギー、イタリアなどで法律が成立したり法案が上程されたりしている。とくにフランスは2006年8月から、「国際航空連帯税」を導入して自国発の航空券に課税し、アフリカのエイズ対策などにあてている。航空連帯税の導入を表明している国は07年現在で28カ国、うち8カ国で実施に至っている。08年7月27日、日本政府は、従来のODA(政府開発援助)だけでは資金が不十分として、国際連帯税導入の是非の検討を始めた。今までオブザーバー参加していた国際組織「開発資金のための連帯税に関するリーディンググループ」に正式加盟し、海外の先行事例などの情報収集や研究を行っていく。