人権擁護活動に優れた功績のある人などをたたえて毎年贈られる国際賞で、主催はEU(欧州連合)の欧州議会。旧ソ連の物理学者アンドレイ・サハロフ博士(1921~89)の同意を得て、88年に創設された。サハロフ博士は75年のノーベル平和賞受賞者。旧ソ連の水爆開発に大きく貢献したが、核実験による放射能汚染を説いたり、民主化や人権擁護などを主張したため、反体制活動家として強制移住をさせられるなどの迫害を受けた。サハロフ賞の2008年の受賞者は、中国の人権活動家、胡佳。胡は1973年生まれで、環境問題やHIV感染者の人権問題などに取り組んできたが、国家政権転覆扇動罪などにより服役中で、ノーベル平和賞でも有力候補とされていた。サハロフ賞は、これまでに南アフリカの黒人解放運動の指導者、ネルソン・マンデラや、ミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者のアウンサンスーチーなどに授与されている。