環境保護と経済成長とを両立させること。これまで、経済成長のためには、化石燃料の使用などによる地球温暖化や開発のための自然環境の破壊、天然資源の持続不可能な使用などを伴うことが多かった。それを改め、再生可能なエネルギーへの転換、グリーンITを含むクリーン技術の開発とそれらによる新たなる市場の開拓、途上国への支援などによって両立を図ろうというもの。2009年に開催された経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会では、(1)グリーン成長戦略の追求、(2)効率的かつ効果的な気候変動のポリシー・ミックスの活用、(3)環境に有害な政策をとらない、などを盛り込んだ「グリーン成長に関する宣言」を採択。11年11月開催のアジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議でもグリーン成長の促進を盛り込んだ声明を採択した。12年5月29日に閣議決定された、「震災復興と安全安心で持続可能な社会の実現に向けて」がテーマの12年版「環境白書」でも、その重要性を強調している。さらに、国連持続可能な開発会議(リオ+20)に関連し、世界をリードするグリーン成長国家の実現のため、日本の優れた技術やシステムの国際的な貢献についても言及している。