政府が統治能力を欠き、暴力が多発したり、公共サービスの提供が行えないなど、行政機能が麻痺した国々を指すが、明確な定義はない。failed stateの訳語としては破綻国家という表現もある。アメリカの非政府組織(NGO)ファンド・フォー・ピースは、外交専門誌「フォーリン・ポリシー」と協力して、2005年から毎年「失敗国家ランキング(Failed States Index)」を発表している。このランキングは、経済格差や貧困、安全性、公共サービス、人権など、12の指標をもとにスコアを算出、順位づけしたもので、上位になるほど失敗の度合いが高いとされる。12年6月に発表された同年版ランキングによれば、最も失敗度が高いとされたのは、事実上の無政府状態が続くソマリアで、5年連続の1位。続いてコンゴ、スーダン、チャド、ジンバブエと、アフリカの国々が上位を占めた。一方、最下位(失敗度の最も低い)の国は177位のフィンランドだった。日本は前年の164位から151位と順位を上げる結果となっている。この他、アメリカは159位、韓国は156位、中国は76位だった。