太子党は、中国共産党の高級幹部の子弟の総称。親から受け継いだ特権や豊富な人脈などを生かして、中央や地方の政財界で要職に就くなど、大きな影響力を持つ。元副首相の習仲勲を父に持つ次期指導者の習近平は、太子党の筆頭とされる。他に、李鵬元首相、曽慶紅元国家副主席、陳元国家開発銀行長、薄熙来元重慶市党委員会書記など。共青団は、中国共産党が指導する14歳から28歳までの青年組織。共産主義や社会主義を学ぶ学校であり、中国共産党の予備軍で、団員は7000万人を超える。1922年に前身の中国社会主義青年団が結成され、57年以降、現在の名称である中国共産主義青年団となった。下部組織として、中国少年先鋒隊(少先隊)があり、14歳未満が所属する。主な出身者は、胡錦濤国家主席や李克強副首相、胡耀邦元総書記、胡啓立元中央政治局常務委員、胡春華内モンゴル自治区党委員会書記など。一般に共青団から共産党に入党するのがエリートコースとされており、出身者は党内に幅広い人脈を形成している。太子党と共青団は出身母体の違いで、人事などをめぐる権力闘争の際にライバル視されることが多いが、必ずしも政治的志向が異なるわけではない。