パキスタンで医療活動を行う中村哲医師を支援するために創設されたNGO(非政府組織)で、1984年に現地での活動を開始。福岡市に事務局を置き、活動費は1万人以上の国内会員の会費や寄付金などでまかなわれている。「ペシャワール」は、中村の最初の赴任先であるパキスタン北西辺境州の州都の名前で、同会運営の病院が設置されている活動拠点の一つ。アフガン難民の診療をきっかけに、アフガニスタンへ活動範囲を広げ、2000年以降は、戦乱と干ばつで砂漠化した農地のかんがい事業を展開。07年には第1期工事として約13kmの用水路が完工した。01年のアメリカ軍によるアフガン侵攻時には、「アフガン いのちの基金」を創設して、民間団体として初めて空爆下での食料援助を実施。日本のNGOの先駆けとして知られ、03年には、「アジアのノーベル賞」と呼ばれるマグサイサイ賞が中村に贈られた。08年8月、アフガニスタンで農業支援にあたっていた日本人スタッフが武装グループに拉致され、遺体で発見される事件が発生し、衝撃を与えた。