中国社会科学院日本研究所と社会科学文献出版社が共同で2009年8月19日に初めて出版した、中国による日本研究の年次報告書。中国社会科学院では00年から毎年、「日本発展報告」を発表してきたが、日本研究の重要性が高まってきたことを受けて、「青書」に格上げした。初の「青書」では08年から09年春までの日本を、経済や政治、外交、文化、社会など六つの分野に分けて約30人の研究者が分析、執筆。「毒ギョーザ」事件に関して、中国の食品安全面での欠陥が露呈した、と認めるなど、従来の中国政府の立場より踏み込んでいる部分もある。経済では、日中間の貿易が、単なる二国間貿易ではなく、アメリカ、ヨーロッパなども含めた、グローバル化した世界経済、世界貿易と一体になっている、と指摘している。総括では、世界金融危機と55年体制崩壊による政治混乱などにより、雇用構造の変化や格差拡大が生じ、日本社会は過渡期を迎えた、としている。「青書」はイギリスで、議会が出す報告書の表紙が青かったことから。