古代インドで、仏教研究の中心地として栄えた「世界最古の最高学府」。427年、現在のビハール州に創設。500万冊の蔵書を持つ9階建ての図書館や、8つの寺院を備え、最盛期には中国、朝鮮、日本をはじめ、東南アジアや中東から1万人以上の留学生が集(つど)ったが、12世紀末、イスラム勢力の侵入により徹底的に破壊された。2006年、インドのカラーム大統領が大学としての復活を提案、07年1月の東アジアサミットでも参加国の支持を得た。同年7月13日より、ノーベル経済学賞受賞のアマルティア・K.セン教授(インド)を会長とする「ナーランダー顧問グループ」が、シンガポールで初の会合を開催。同国のジョージ・ヨー外相、北京大学の王邦維教授、ハーバード大学のボース・スガタ教授、平山郁夫ユネスコ親善大使など、著名な学者や政治家らが話し合い、仏教や哲学だけでなく、ビジネス、地域史、言語学など、幅広い分野を研究する総合大学という方針が決まった。