2009年12月11日に、日本・アメリカの両政府が締結に合意した協定。10年10月までの署名・発効を目指す。航空自由化(オープンスカイ)とは、2国間の航空路線について、これまで政府間で路線や便数などを決めていたものを、航空会社が原則自由に設定できるようにする政策。今回の合意は、(1)両国の航空会社は路線の新設、便数などを自由に設定でき、新規参入も認める、(2)10年10月以降、羽田空港とアメリカ間で、深夜早朝時間帯を利用して両国がそれぞれ1日4便を就航する、(3)現在アメリカが成田空港で持っている特権的な発着枠(スロットシェア)を現行の28%から25%程度に引き下げ、その後もさらに引き下げる、などの内容。両国はこの合意で「競争環境が確保された」として、航空会社間の提携を独占禁止法の適用除外とする。これにより包括的な提携が可能となれば、運航ダイヤの調整や座席などの一体的管理を通じてコストを削減できるようになり、利用者がメリットを享受できる可能性が出てくる。すでに今回の合意を受けて、09年12月23日、アメリカのユナイテッド航空、コンチネンタル航空と全日本空輸(全日空)が、合弁事業に向けてアメリカ運輸省に独占禁止法の適用除外を申請している。アメリカは1992年のオランダを皮切りに、航空自由化協定を次々と締結。現在はEU(欧州連合)や韓国など、90以上の国・地域と協定を結んでいるが、日本にとっては初の本格的な航空自由化協定となる。