ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインの南欧4カ国とアイルランドの国名の頭文字をとった造語。アイルランドをのぞき「PIGS」とも呼ばれる。「豚」をもじった言葉で、これらの国からは「差別的」という反発もある。いずれもヨーロッパの単一通貨、ユーロの加盟国だが、多額の財政赤字を抱え、財政危機に直面している。信用不安の端緒となったのはギリシャで、2009年10月に発足したパパンドレウ新政権が、前政権の統計処理に不備があったとして財政赤字の額を修正したことから。ユーロ加盟国は、財政赤字は国内総生産(GDP)の3%以内、累積赤字の債務・GDP比は60%以下とするよう義務づけられているが、ギリシャの09年の財政赤字はGDP比3.7%から12.7%に、債務・GDP比は110%を超える水準に修正された。これをきっかけに、多額の財政赤字を抱える南欧諸国への不安が高まり、国債格下げ、ユーロの下落など、ヨーロッパ発の金融不安が懸念されている。