2001年9月11日に起きた同時多発テロから10年目を迎えるにあたり、オバマ政権が初めて発表した、新しい「テロとの戦いに関する国家戦略」のこと。テロ支援国家やテロ組織に対する基本方針を盛り込んだもので、ブレナン大統領補佐官が11年6月29日にワシントン市内で行った講演で発表した。「基本的にブッシュ前政権の戦略を継承した」としているが、前政権が大規模かつ広範囲に「テロとの戦争」を推し進めたのに対し、新戦略では、国際テロ組織アルカイダとその関連組織・支持者に的を絞った作戦を基本方針とし、アメリカ本土へのテロ攻撃の阻止を最重要な課題としている。大規模な地上軍の派遣はできるだけ回避して、アルカイダの掃討に向けて特殊部隊による急襲作戦や、無人機などハイテク兵器での攻撃を重視する。アフガニスタンとパキスタンでテロ組織の壊滅を目指すとともに、イエメン、ソマリアも重点地域と位置づけた。また、アルカイダに影響されたアメリカ人テロリストの脅威も指摘、新たな対策を講じるとしている。