シリア北部の商業都市。同都市はメソポタミアとヨーロッパをつなぐ交易の要衝で、紀元前3000年ごろから既に存在していたとされ、7世紀には商業都市として栄華を極めた。綿織物などの伝統産業や繊維工業が盛んで、現在も首都ダマスカスに次ぐシリアの主要な都市となっている。人口約200万人。また同都市は、1986年に「古代都市アレッポ」として国連教育科学文化機関(UNESCO ユネスコ)の世界遺産に登録された。紀元前10世紀に神殿として建設されて以来、十字軍などの度重なる侵攻を防ぐための増改築を経て難攻不落の要塞となったアレッポ城や、13世紀ごろから発展を続け、総延長12キロにおよぶ中東最大級のスーク(市場)などを有する。2012年7月、同都市でシリア政府軍と反体制派による戦闘が激化。多数の死者や難民を出した。また、政府軍の拠点となっていたアレッポ城では銃撃戦で城門などが損傷を受けたほか、スークが同年9月の戦闘による火災でほぼ焼失するなど、内戦によって文化遺産が破壊される事態となった。