天然ガスの主要生産国が参加して新たに設立された国際機構。2001年に初会合が行われた「ガス輸出国フォーラム」は、生産国による協議の場だったが、ガス埋蔵量、生産量、輸出量とも世界一のロシアが、常設機構の創設の必要性を唱えていた。08年12月23日にモスクワで閣僚会合が開催され、参加した11カ国がフォーラムの「憲章」を採択、事務局をカタールのドーハに置くことで一致し、正式な国際機関として発足した。石油輸出国機構(OPEC)のような生産調整や価格協定ではなく、資源開発など、様々な分野での協力を主目的とするとしている。ただし、ガス生産国には、アメリカ発金融危機による08年の原油価格急落にともない、連動するガス価格も下落していることや、経済危機への危機感や不満があるため、ヨーロッパなどの輸入国では価格カルテルへの動きとして警戒する声もある。フォーラムの加盟国は、天然ガス埋蔵量がそれぞれ世界1、2、3位のロシア、イラン、カタールにエジプト、インドネシア、リビアなど計14カ国。加盟国でガス埋蔵量の約7割、産出量の約4割を占めることになる。