2010年5月3日から同月28日まで、アメリカのニューヨークにある国連本部で開催された会議。NPT運用検討会議とも。NPT再検討会議は、NPT(核不拡散条約)加盟国が5年に1度開催し、条約の運用について検討する会議。前回05年の会議は、アメリカのブッシュ大統領(当時)が核軍縮に消極的だったことなどから、最終文書を採択できず失敗に終わったが、今回は64の行動計画を含む最終文書を全会一致で採択。内容は、(1)核軍縮について、不可逆性、検証可能性と透明性の原則を確認、(2) 核兵器国(NPTの定めるアメリカ、イギリス、中国、フランス、ロシアの5カ国)は具体的な核軍縮措置の進ちょく状況について14年の再検討会議準備委員会で報告する。翌15年に開かれる次回の再検討会議ではその先の措置を検討する、(3)12年に、中東非核地帯設置についての国際会議をイスラエルを含むすべての中東諸国の参加で開催する、など。議長総括では、北朝鮮の2度にわたる核実験を「強く非難」し、インド、イスラエル、パキスタンに対してNPT加盟を要請している。最終文書の当初原案では、核廃絶への行程表をつくるための国際会議開催が盛り込まれていたが、核兵器国が難色を示し、実現しなかった。一方で、NGOなどが求めていた「核兵器禁止条約」について、「留意する」という形で初めて言及された。