ミャンマー南東部の山地を中心に分布する少数民族。一部は、タイやミャンマー低地にも住む。ミャンマーでの人口は、約400万人とされ、同国人口の7%を占める。シナ・チベット語派に属すとされるカレン語を話すが、言語の系統上の位置づけははっきりしていない。方言によって、スゴー、ポーなどいくつかのグループに分かれており、山地には金属製の首輪を何重にもはめて女性の首を長くする風習を持つパダウン人など、少人数の集団が多い。イギリス領時代には、自治権が認められており、ビルマ族よりも優遇されていた。第二次世界大戦後のビルマ独立の際には、ビルマからの分離独立を求めてカレン民族同盟(KNU)が組織され、ビルマ族を中心とする政府との間で紛争が続いてきた。そのなかで大量の難民が発生し、タイとの国境にある難民キャンプには、10万人をこえるカレン族がいる。2012年1月には、テインセイン大統領によるミャンマー民主化政策の一環として、60年以上にわたって戦闘状態にあったミャンマー政府とKNUが停戦に合意した。