大量の不発弾が残り、戦闘終了後も民間人に深刻な被害を与える、クラスター(集束)爆弾の使用や生産・開発を、全面的に禁止する国際条約。2008年5月30日にアイルランドのダブリンで開かれた国際会議で、参加111カ国の全会一致で採択された。発効は12月の署名以降となる。クラスター爆弾は、数百の子爆弾を詰めた親爆弾を投下したりして空中で分散させ、広範囲を爆破する。しかし、5~40%の子爆弾が不発弾となって残るため、「第2の地雷」ともいわれていた。禁止条約制定に向けて、07年2月にNGO(非政府組織)や提唱国ノルウェーなど有志国が、ノルウェーのオスロで08年中の禁止条約締結をうたった「オスロ宣言」を制定。その後、アメリカ、ロシア、中国などの大量保有国は参加しないまま、条約内容に関して厳しい協議が続いていた。この間の協議は、NGOとカナダなどの有志国により1997年に対人地雷禁止条約を成立させ、ノーベル平和賞を受賞した「オタワ・プロセス」にならい、「オスロ・プロセス」と称される。自衛隊が4種類、調達総額約276億円分保有するといわれる日本は、合意をしぶっていたが、条約案の改訂でアメリカなど保有国との共同作戦が可能になったこともあり、閉会直前に福田康夫首相が合意を決定した。条約参加国は、今後8年以内に、誘導装置や自爆装置を備えた最新型以外の保有爆弾を廃棄することが求められる。