捜査当局間で刑事事件の協力のあり方を定めた条約。国境を越えた国際犯罪などの場合、刑事共助条約を結んでいない国に情報や資料提供などを求めるには、外交ルートを通じた手続きが必要だが、条約があれば双方の捜査当局が直接やりとりできる。条約には、一方の締約国が他方の締約国の請求に基づき、捜査、訴追その他の刑事手続きについて協力することなどが定められており、関連する事務処理の軽減や迅速化が期待されている。日本はこれまで、2003年8月にアメリカ、06年1月に韓国、07年12月に中国と刑事共助条約を締結しており、いずれもすでに発効している。09年5月にはロシアと同条約を締結、刑事共助の実施を効率化・迅速化することを確認した。また、日本と欧州連合(EU)による日・EU定期首脳協議でも、同条約を早期締結させることで合意している。