ギリシャの財政危機(ギリシャ危機)をきっかけに金融市場での信用が暴落した、欧州単一通貨ユーロの市場価値を守るため、EU(欧州連合)が創設を決めた緊急金融支援基金。2010年5月9日に招集された、EU加盟27カ国による緊急財務相理事会で創設が決まった。資金繰り難に陥った国に緊急融資をする枠組みで、すでにあるラトビアやハンガリーなど非ユーロ圏向け支援制度の資金を、加盟国の拠出金などにより拡充し、最大600億ユーロ(約7兆円)の新基金を創設する。また、特別目的事業体(SPV)を設立して、ユーロ加盟16カ国が返済を保証する債券を発行し、緊急融資の資金として最大4400億ユーロ(約52兆円)を調達する。さらにIMF(国際通貨基金)から最大2500億ユーロ(約30兆円)の拠出を受け、総額7500億ユーロ(約89兆円)規模の基金として立ち上げる予定。