国連に加盟していないが、国連総会などへの出席や発言が認められている国家および組織。国連憲章には規定がなく、1946年に事務総長がスイスにオブザーバー資格を与えて以来の慣習に基づいている。国連非加盟のため投票権はないが、議長の許可があれば、利害関係のある問題について国連総会での発言が認められており、決議案の作成にもかかわることができる。日本や韓国、オーストリア、フィンランドなどのように、オブザーバー国家を経て国連に加盟した国もある。2012年11月29日、国連総会は、パレスチナ(国連でのパレスチナ解放機構の呼称)の国連における地位を、オブザーバー機構からオブザーバー国家へ格上げする決議を、賛成138カ国、反対9カ国、棄権41カ国で採択。それによりオブザーバー国家は、バチカン市国とパレスチナの2カ国となった。またその他に、欧州連合(EU)やアフリカ連合(AU)、アラブ連盟などの政府間国際機構や、赤十字国際委員会や国際オリンピック委員会(IOC)など70以上の組織がオブザーバーとして国連総会などに参加している。