政治的迫害、宗教的迫害、武力紛争、飢餓などによって家を追われ、国内で避難生活を送る人々のこと。国際法などでの定義はなく、「難民の地位に関する条約」(難民条約)で、「他国に逃れた人」と定義されている難民とは区別される。2009年6月16日に発表された国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の年次報告書「グローバル・トレンド」によると、08年末時点で避難生活をしている人の総数は世界で4200万人、うち1600万人が難民や亡命希望者で、残りの2600万人が国内避難民とされる。08年の国内避難民の帰還数は140万人で、07年と比べ34%減少している。国内避難民問題は、コロンビア、イラク、コンゴなどにおいて長期化しているが、09年に入り、パキスタン、スリランカ、ソマリアなどで急増している。