サイバー攻撃やサイバー犯罪への対策、インターネットがもたらす経済的、社会的メリットの保護策など、サイバー空間に関する問題を包括的に協議する初の国際会議として、2011年11月1~2日に開催された。政府機関や企業に対するサイバー攻撃が世界的に頻発している事態を受け、イギリス政府が開催を提唱し、同国のウィリアム・へイグ外務大臣が議長を務めた。約60カ国の政府、国際機関、企業、NGO(非政府組織)などの代表約900人が参加し、日本からは山根隆治外務副大臣のほか、外務省、防衛省、警察庁の担当職員も同行。2日間の協議を通じて、サイバー空間の安全保障向上のため、各国が国連などを通じて共通認識を構築することなどが、合意事項として議長声明に盛り込まれた。ロシアや中国はインターネットの国際的な規制強化を求めたが、情報の自由な流通を重視する観点から、議長声明で「拘束力のある条約は時期尚早」と指摘された。あわせて12年にハンガリー、13年に韓国で同種の会議を行うことも決まった。