2008年5月2日から3日にかけて、ミャンマー南部を襲ったサイクロンの名前。サイクロンとは、インド洋で発生する熱帯低気圧のこと。被災したのはイラワジ川の河口に位置するエヤワディ管区をはじめとする5つの管区・州で、最大都市のヤンゴンも大きな被害を受けた。被災地では水や食糧の不足が深刻化しており、国連人道問題調整事務所(OCHA)は5月12日、現地調査を踏まえて、死者・行方不明者が最大で約10万人、被災者数は百数十万人に達する可能性があると発表した。同国の軍事政権は5月16日時点で死者約7万8000人、行方不明者約5万6000人と発表している。当初、軍政は、国連やNGOの救援チームの入国をほとんど認めず、一方で5月10日には予定通り新憲法承認の国民投票を行うなど、その姿勢に対して国際的に批判の声があがった。しかし、5月23日、首都ネピドーを訪れた潘基文(パン・ギムン)国連事務総長との間で、軍政が援助要員の受け入れに合意。25日にはヤンゴンで支援国会合が開かれた。