無職の人々に、職業訓練などの能力開発を行い労働市場に送り出し、職を得て経済活動が行えるように支援する福祉政策のことで、「跳躍力」を付けることに重点におくことから、トランポリン型福祉と呼ばれる。イギリスのブレア前政権で採られた「福祉から就労へ」プログラム政策のことを言い、失業給付など現金を与えて最低限度の生活を保障するセーフティーネット型福祉ではなく、「自助努力よりも就労を」の福祉を指す。職がないために貧困状態にある人々に、スキルを身に付けさせてエンプロイアビリティー(employability 就業可能性)を高め、あわせて就労機会もあっ旋する。こうすることで、失業者は働くことで貧困から脱出できるし、失業者が働けば納税収入が増える上、失業給付も減少することになる。こうした政策により、ブレア政権が1997年に発足して以降、絶対的貧困率(全人口に占める貧困者の割合)は10%以下(2002年)に半減、相対的貧困率(各年度の所得中央値の半分以下で暮らす人々の割合)も、17%(1997年)から14%(2005年)に低下している。デンマークなど北欧では、「福祉から就労へ」(from welfare to workfare)とか「セーフティーネットからトランポリンへ」(from safety net to trampoline)の用語もある。