アフリカ各地の自然環境下で栽培できるよう、国際農業研究協議グループ(CGIAR Consultative Group on International Agricultural Research)に属する西アフリカ稲開発協会(WARDA West Africa Rice Development Association/現・アフリカ稲センター)が1994年に開発した新品種米の総称。アフリカ稲とアジア稲を交配させ双方の長所をもたせたもので、(1)1穂あたりの収穫量がアフリカ稲より4倍以上多い、(2)在来種に比べて栽培期間を30~50日程度短縮できる、(3)干ばつ耐性があって灌漑(かんがい)設備のないサバンナ地域でも育つ、(4)病害虫や雑草に強い、(5)たんぱく含量が多い、などの特長をもつ。そのため、とくにサブサハラ(サハラ砂漠以南)地域の貧困対策や食料安全保障における有力な手段として期待され、開発にはWARDA加盟17カ国をはじめアジア、南北アメリカ、ヨーロッパ諸国の農業研究機関が参加。日本政府や国連開発計画(UNDP)などがこれを支援している。2008年3月までに陸稲18種、水稲60種が品種登録され、作付け面積もウガンダ、ギニア、コートジボワールを中心に計25万haと拡大しつつある。ネリカ(NERICA)はNEw RIce for AfriCAという英語名を略したもの。