中南米とカリブ海地域の全独立国33カ国による地域機構。ラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体ともいう。2008年12月、ブラジルでラテンアメリカ諸国のみによる首脳会議が初開催された。10年2月、メキシコで開催された第2回首脳会議で、地域統合機構の設立に各国が合意し、11年12月に正式発足した。アメリカが主導し、キューバが事実上排除されている米州機構(OAS)に対して、中南米カリブ海諸国共同体は、アメリカとカナダを除き、キューバを入れた新たな枠組みとなる。政治、経済、社会、文化など幅広い分野で地域統合を進めて域内を活性化し、域外に対する発言力を高めて独自の発展を目指す。11年12月2~3日、ベネズエラの首都カラカスで、中南米とカリブ海地域による第3回首脳会議が開催された。各国首脳が同共同体の設立に署名し、同共同体が正式に発足。経済格差の是正や、世界的な金融危機への対策、環境問題などにおいて、各国が協力することなどを盛り込んだカラカス宣言を採択した。