日本の国会に相当する中国の全国人民代表大会(全人代)で、2007年3月16日、可決成立した法律で、私有財産について規定したもの。国家、集団、私人の財産権は不可侵であり、平等に保護を受けると明記し、中国の市場経済改革を一歩進める内容となった。これまで期限付きで認められてきた宅地や農地の使用権については、使用期間についての制限を廃し、期間の延長を認めるなど、事実上「私有地」扱いとなる。一方、「役人が不正に得た財産を追認するのか」との批判もあったことから、転売などにより国家財産を棄損する行為は、民事上、行政上、刑事上の責任を追及されると定めた。また、農地などの収用に対しては、補償を義務付けるなど、弱者の権利にも一定の配慮を示している。物権法については、「社会主義憲法に違反する」など反対の声も多く、これまで10年以上も賛否の議論が続いてきた。