国際的な子の奪取の民事面に関する条約。離婚などで生じる、国境を越えた子どもの移動についての国際ルールを定めた条約。1983年に発効し、2009年5月現在、締約国は81カ国。両親の離婚などによって居住国から引き離されることは、子どもの利益に反するとの考えに基づき、離婚に際して、監護権(親権)や面会権などについて手続きが確定しないまま、子どもを居住国から連れ出すことを不法としている。子どもを連れ去られた親の申し立てがあった場合、受け入れ国側は、子どもを探し出して元の居住国に戻す義務があるほか、連れ去られた側の親と、子どもとの面会の権利を保障しなくてはならない。09年5月21日、アメリカ、イギリス、フランス、カナダの4カ国の駐日公使らが、異例の共同記者会見を開催。4カ国との間で、離婚した日本人が子どもを日本に連れ帰り、相手方とトラブルになるケースが、168件にのぼるとして、日本のハーグ条約早期加盟を訴えた。ハーグ条約に加盟していないのは、G8(主要8カ国)のなかでは日本とロシアだけとなっている。