国連人口基金(UNFPA)と国際NGOのヘルプエイジ・インターナショナルが、2012年10月1日の国際高齢者デーに発表した世界の人口高齢化に関する報告書で、「祝福すべき成果と直面する課題」との副題が付く。現在、世界の総人口70億人に対して60歳以上の高齢者は約12%の8億1000万人を占めるが、今後は10年以内に10億人に達し、さらに2050年には20億人を超えると予測し、21世紀は人口の高齢化が顕著になるとの分析を示した。とくに、衛生状態の改善によって、高齢化は新興国や発展途上国で著しく、50年には高齢者の80%が新興国で暮らすようになる、としている。その上で報告書は、こうした高齢化は歓迎すべきことである一方、大きな課題を抱えている点を指摘。快適な生活をおくるには、所得保障や質の高い保健医療サービス、職場や家庭など活動できる環境が必要であり、医療制度、社会保障制度の整備が遅れている新興国、発展途上国は、迅速な対応をしなければ、準備不足のまま高齢化社会を迎えることになり、今後様々な問題に直面することになると警告している。そして、各国が医療や社会保障制度の充実に向けた投資や制度整備を推進することを提言した。