ナイジェリアのイスラム過激派組織で、アフリカの武装勢力のなかで最もテロ活動を強めている。名称は、現地のハウサ語で「西洋の教育は罪」の意。欧米の教育や価値を否定し、ナイジェリア全土へのイスラム法(シャリア)導入を要求している。2002年、同国北東部にあるボルノ州の州都マイドゥグリで結成。当初は穏健だったが、09年から過激化し、キリスト教会や警察施設、国連施設などを標的とした爆弾テロや銃撃を繰り返すようになった。また、組織の方針に従わないイスラム教聖職者やモスク(イスラム教礼拝所)も襲撃している。創設者のモハメド・ユスフ師は09年、当局に拘束され、逃亡を図ったとして殺害された。10年以降、ボコ・ハラムによるテロの犠牲者は約3000人に及ぶとみられ、特に11年以降、自爆テロや爆弾攻撃が急増している。アフガニスタンの武装勢力タリバンをモデルにしているとされるが、アルジェリアを拠点とする「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」などとのつながりも、ナイジェリア治安当局によって確認されている。