環太平洋戦略的経済連携協定、あるいは環太平洋パートナーシップ協定とも。アジア、オセアニア、南北アメリカ地域の国々が参加する自由貿易協定(FTA)構想で、2015年までに参加各国間貿易の全品目について関税を撤廃することをめざす。06年に、シンガポール、チリ、ニュージーランド、ブルネイの4カ国(P4パシフィックフォー)で発効。その後、アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーの4カ国が参加を表明し、交渉を続けている。10年10月7日にはマレーシアが、交渉への参加を決定した。同月1日、臨時国会開会日の所信表明演説で、菅直人首相がTPP交渉への参加を検討すると表明した。しかし、貿易自由化によって安い農産品が流入することを恐れる農家は反発しており、篠原孝農林水産副大臣が菅首相の表明について「あまりに唐突」と批判するなど、政府内でも異論がある。