2010年4月12、13日の2日間、アメリカのワシントンで開催された、核テロ対策や核物質の管理体制について47カ国の首脳らが話し合ったサミット。核保安サミット、核安全サミット、核セキュリティー・サミットなどとも表記される。オバマ大統領が「核のない世界」を訴えた09年4月のプラハでの演説で提案していたもので、ロシア、中国などの核保有国を始め、核不拡散条約(NPT)に加盟していないインドやパキスタン、イスラエルも参加した。国連からも、潘基文事務総長や天野之弥IAEA(国際原子力機関)事務局長が参加。一方で、核問題でアメリカと対立しているイランや北朝鮮は招待されなかった。サミットにあわせて、ウクライナが旧ソ連時代に配備された核兵器の高濃縮ウランすべての廃棄を表明。その他の参加国も、それぞれの核物質管理強化の取り組みを発表した。日本からは、鳩山由紀夫首相が参加し、核の安全強化のためのアジア総合支援センター設立を発表した。二日目の13日、サミットは、核テロを国際的な安全保障への最大の脅威として、以下の内容の共同声明を採択し閉会した。(1)IAEAの役割強化のための財源の支援、(2)4年以内に核物質の管理を徹底、(3)とくに高濃縮ウランとプルトニウムの管理を重視、など。次回は12年に韓国で開催することで合意している。