アメリカのブッシュ大統領とロシアのプーチン大統領が会談し、2008年4月6日に合意した、安全保障を軸とした二国間の協力の枠組みを定めた宣言。ロシア南部の保養地で、2014年冬季オリンピックの開催予定地でもあるソチで行われたため、ソチ宣言とも呼ばれる。戦略核兵器を最大限可能なレベルまで削減するとともに、09年に失効する第1次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新条約の作成を目指すこと、ロシアはアメリカがポーランドとチェコに建設予定のミサイル防衛(MD)施設に賛成しないこと、同時に、ロシアはアメリカがMDに関してロシアに提案した施設への立ち入りなどの措置を評価する、イラン核問題の平和的解決への努力、といった、安全保障や大量破壊兵器の拡散防止などを内容としている。08年5月に退任するプーチン大統領、09年1月に退任するブッシュ大統領の両者にとっては、イラク戦争や、アメリカによるMDの東欧配備計画などをめぐり、「新冷戦」とも言われるほど冷え込んだ両国関係を、修復へ向かわせる糸口を次期政権に残す成果となった。