大砲やミサイルを発射する前に、目標との距離や速度などを測るために用いるレーダー。火器とは小銃・大砲など武器の総称で、射撃用レーダーのことをいう。軍艦には一般に、艦艇や航空機を探知する水上用レーダーや対空用レーダーなどのほか、火器管制レーダーを搭載している。敵の艦艇や航空機を攻撃する場合、ピンポイントで火器管制レーダーを目標に照射し、はね返ってきた電波を捉えて位置や方位を正確に測り、すぐに射撃できる状態にする。レーダー照射は「ロックオン」ともいわれる。2013年2月5日、防衛省は1月30日に東シナ海で警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦に対して、中国海軍艦艇が火器管制用レーダー照射をしたと発表。また同月19日にも、東シナ海で中国海軍艦艇が海上自衛隊護衛艦に搭載のヘリコプターに対して、レーダー照射をした疑いがあったことを明らかにした。日本政府はこれらの危険な行為に対して、中国政府に強く抗議し再発防止を求めたが、中国政府は日本政府の発表を「事実に合致しない」とする見解を表明し、火器管制レーダーの照射を否定した。