新疆ウイグル自治区の中国からの分離独立を目指す、亡命ウイグル人の世界組織。2004年に結成され、本部をドイツのミュンヘンに置いている。同自治区を「東トルキスタン」と呼び、ウイグル人が「東トルキスタン国民」として民族自決権を獲得することを掲げ、中国共産党による民族同化政策などに反対している。同会議は、「民主的かつ平和的な手段」を利用するとして、テロを手段とすることは否定する。総裁のラビヤ・カーディルは、かつて同自治区の区都ウルムチで女性実業家として成功を収め、政策提言などを行う人民政治協商会議の委員も務めたが、共産党のウイグル政策への批判を続け、1999年に逮捕された。2005年に釈放されると、アメリカに亡命。06年に世界ウイグル会議総裁に就任した。同年以降、ノーベル平和賞候補にもノミネートされている。09年7月5日、ウルムチでウイグル人のデモが暴動に発展。中国当局は、世界ウイグル会議とカーディルが暴動に関与したと非難。しかし同会議側は関与を全面的に否定し、中国当局の対応を批判した。ウイグル人は、イスラム教を信じるトルコ系の民族で、18世紀には清朝の支配下に入ったが、1930~40年代には大規模な分離独立運動が起きた。90年代の中央アジア諸国の独立の影響で、再び独立志向が高まっている。