2010年12月1~2日にカザフスタンの首都アスタナで開催された、欧州安全保障協力機構(OSCE)首脳会議が採択した総括文書。EU(欧州連合)をはじめとするヨーロッパ諸国、アメリカ、カナダ、ロシアなど旧ソ連諸国の計56カ国が加盟するOSCEの今後の活動原則として、自由と民主主義の共通理念などを再確認するとともに、テロや麻薬など国家を超えた脅威への対処や、アフガニスタン安定化への貢献の必要性が盛り込まれた。OSCEは近年、人権や民主化の支援も重視する傾向を強めている。OSCE首脳会議の開催は1999年以来11年ぶりで、域内紛争への取り組みなどに関する具体的な「行動計画」も策定する予定だったが、グルジア紛争など旧ソ連地域内の紛争をめぐる欧米とロシアとの対立で調整がつかず、行動計画は宣言に盛り込まれなかった。行動計画の策定は、2011年のOSCE議長国であるリトアニアに引き継がれる。日本はOSCEのパートナー国であり、首脳会議には伴野豊外務副大臣が日本政府代表として出席した。