航海の安全と海洋環境の保護を支援する国際機関として、水路図誌(海図、灯台表などをまとめた資料)の国際的な統一や、水路測量の技術開発支援などにあたっている。1921年に設立された国際水路局(IHB ; International Hydrographic Bureau)を前身とし、67年に採択された国際水路機関条約に基づき、政府間の条約機関として明確に位置づけられた。本部はモナコ公国にあり、2012年4月現在、84カ国・地域が加盟。5年ごとに開催される総会において、水路図誌の改良に関する協議と決議採択が行われる。地域委員会も組織されており、日本は中国、韓国など7カ国とともに東アジア水路委員会に参加。国際水路機関は、海洋の境界や名称などを記載した「大洋と海の境界」を発行しているが、現行の第3版は1953年に作成されたもの。第4版への改訂作業をめぐっては、97年から韓国が、「日本海」を「東海(トンヘ)」と改称するか、「東海」と「日本海」を併記すべきだと主張している。