国際連合が定めた2011年の国際年のひとつで、1985年以来の2度目となる。2006年の国連総会決議によって定められ、11年2月の第9回国連森林フォーラム(UNFF)の会合において公式に立ち上がった。世界の森林面積の減少や劣化が続いていることをうけて、森林の保全に対する人間の役割の重要性を示した「Forests for People(人々のための森林)」をテーマに、「持続可能な森林管理・利用」についての認識を国際的に高めることを目的としている。世界各地で、シンポジウムやセミナー、映画祭などさまざまなプロジェクトが企画されている。国内では、林野庁が国連との窓口となって情報発信を行い、農林水産省が林業関係者や芸術家など各界の有識者で構成される国内委員会を設置し、さまざまな取り組みの内容を検討している。「森を歩く」を国内テーマとして具体的で気軽な参加を促し、サブテーマとして11年を「森林・林業再生元年」と定めた。「美しい森林づくり推進国民運動」や「木づかい運動」など、以前から林野庁などが推進してきた関連活動とも連携し、林業などに携わる企業やNPO法人に対して、交流会や広報ツールの提供などを通じた支援も行う。また、新聞などのマスメディアと連携し、ミュージカル「葉っぱのフレディ」の子役を子ども大使として任命するなど、活動の普及に努めており、12年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催される「地球サミット」(Rio+20)へ向けて、森林問題に対する人びとの意識の高まりが期待されている。