地中海沿岸諸国やEU(欧州連合)加盟国など43カ国・地域が参加して、2008年7月13日に創設された地域連合。この構想は、07年5月に就任したフランスのサルコジ大統領が、トルコや北アフリカと南欧諸国間との安全保障や経済開発、移民問題などでの協力推進を掲げて主唱。44カ国に呼びかけ、リビアの最高指導者カダフィ大佐のみが参加を拒否した。7月13日の創設首脳会議には、長年対立を続けるイスラエルとアラブ諸国の首脳が同席。会議前日には、国境を接しながら外交関係がなかったシリアとレバノンが、相互で大使館の設置に同意するなど、外交面での動きが見られた。会議では、核兵器や生物化学兵器などの大量破壊兵器の排除などで合意、共同宣言に署名が行われた。また、水質汚染対策や地中海沿岸高速道路の建設など、六つのプロジェクトが採択された。