空気中で発火する白リン(黄リンともいう)の性質を利用した兵器。主に煙幕や照明弾として使用される。しかし、消火が極めて困難なうえ、皮膚に触れると激しいやけどを引き起こし、人体に深刻な被害をもたらすため、非人道的な兵器だとの批判がある。2009年1月10日、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)」が、08年末から始まったパレスチナ自治区ガザ侵攻作戦で、イスラエル軍が白リン弾を使用した可能性が高いと指摘。人口密集地での使用は国際人道法に違反するとして、同国を非難する声明を発表した。白リン弾については、06年のレバノン侵攻時にイスラエル軍が使用したほか、04年にアメリカ軍がイラク中部のファルージャで、武装勢力への攻撃に使用したことが明らかになっている。09年1月21日、イスラエル軍はガザ侵攻作戦で白リン弾を使用したことを認め、使用方法の適切性について調査を始めると表明した。