アメリカとロシアが2008年5月6日に締結した、原子力の平和利用に関する原子力協定。アメリカの原子力法第123条の制限項目の法改正を含む内容をもつことから、アメリカでは123協定の別称があり、日本では米ロ原子力利用協定ともよばれる。協定は、両国の民間レベルでの核物質や原子力関連機材の平和利用目的を保証する法的な枠組みとなるもので、両国間の商業分野での原子力貿易の促進や、両国企業による原子力発電所の建設や核燃料リサイクルの協力が可能となる。また、米ロ2大国による核不拡散体制の強化にも役立つとされる。08年8月の、グルジアへのロシア軍侵攻の際には、協定はアメリカ議会で承認を審議中であったが、9月8日、侵攻への初の制裁措置として、アメリカ政府は議会への承認申請を取り下げ、協定を凍結した。国際的なビジネスの拡大をめざすロシアの原子力産業にとっては大きな打撃となるとみられる。同政府は、グルジアからの完全撤収が実現すれば、再度、議会に承認を申請するとしている。