南極地域の平和利用や科学調査の自由、領有権の凍結を基本とする南極条約(1961年発効)の締約国によって行われる会議。南極条約第9条に定められ、情報の交換や共通の利害についての協議を行い、南極地域の平和的利用や生物資源の保護など、条約の規定遵守や目的促進のため、自国政府に勧告を行う。61年の第1回会議以降ほぼ2年ごと(94年以降は毎年)に開催され、南極条約の47締約国(2008年12月現在)のうち、日本やアメリカなど調査に積極的な28カ国が参加している。条約採択50年の節目となる09年は、4月6~17日、アメリカのメリーランド州ボルティモアで、南極の環境保護強化を重点として第32回会議を開催。開幕式で、議長国アメリカのクリントン国務長官は、観光船など人間の活動による南極環境汚染の防止を呼びかけ、観光船や観光客の数を制限するよう提案した。会議では、観光客が07~08年シーズンに約3万3000人(国際南極観光業協会調べ)と15年で約5倍に急増していることを踏まえ、観光船の定員を500人以下としたり、1度に上陸できるのは100人以下とするように義務づける規則などを採択した。