日本と、メコン川流域のタイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー5カ国首脳が一堂に会して、経済協力や開発問題など地域の総合的な発展について協議する会議。2009年5月に麻生太郎首相(当時)が開催を発表した。日本にとっては、メコン諸国への経済援助を通じて急速に影響力を強める中国に対抗し、アジア重視の姿勢をアピールするとともに関係強化を図るねらいがある。メコン諸国にとっては、タイを除く4カ国が東南アジア諸国連合(ASEAN)の後発地域に属することから、インフラ整備の推進や域内経済格差の是正にむけて、日本の支援への期待が大きい。第1回の会議は09年11月6~7日に東京で開催され、東京宣言が採択された。東京宣言は、「共通の繁栄する未来のための新たなパートナーシップの確立」をうたい、(1)日本が今後3年間で5000億円以上の政府開発援助(ODA)を実施する、(2)環境分野で「緑あふれるメコンに向けた10年」として今後10年間の行動計画を策定する、(3)日本がメコン5カ国の青少年交流を促進し、3年で約3万人を招へいする、などが骨子となっている。また、鳩山由紀夫首相の提唱する東アジア共同体構想への協力方針が盛り込まれたほか、日本の援助の具体策など63項目の行動計画が策定された。会議は毎年開催され、3年に1度は日本開催とすること、外相会議、経済相会議を定例化することなども決まった。